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パーキンソン病の「足が出ない」を解決するヒント — 転倒を防ぐ生活の工夫

訪問リハビリ
訪問リハビリ

「歩き始めの最初の一歩が出ない」「方向転換で固まってしまう」「狭いところを通る時に動けなくなる」——パーキンソン病の方とご家族にとって、すくみ足は転倒の大きな原因であり、外出をためらわせる症状でもあります。実は、ちょっとした工夫で、すくみ足は和らぐことが知られています。


すくみ足とはなにか


すくみ足(freezing of gait)は、パーキンソン病の代表的な歩行障害のひとつです。歩こうとしても足が床に張りついたように動かなくなる現象で、特に歩行開始時、方向転換時、狭い場所の通過時、目標地点の直前で起こりやすいのが特徴です。


すくみ足には2つのタイプがあります。1つは薬の効きが切れている時(オフ時)に出るタイプで、これは服薬調整で改善することがあります。もう1つは薬が効いている時(オン時)にも出る治療抵抗性のタイプで、こちらは生活の工夫が重要になります。


「矛盾性歩行」という不思議な現象


パーキンソン病ガイドライン2018にも記載されているように、すくみ足には「矛盾性歩行(kinésie paradoxale)」と呼ばれる興味深い性質があります。普段は歩けないのに、ある種の刺激があると突然スムーズに歩けるのです。


たとえば、床に等間隔の線が引いてあると、その線をまたぐようにして歩けることがあります。メトロノームの音やリズミカルな音楽を聞きながら歩くと、足が出やすくなることもあります。階段は意外と上り下りできる方が多いのも、段差という視覚刺激が脳の歩行リズムを引き出すためと考えられています。


自宅でできる5つの工夫


1つ目は視覚キューの活用です。玄関やトイレの入り口、廊下の曲がり角に、目印になるテープを貼ります。歩行器に「跨ぐ目標」となるレーザーポインターを取り付ける道具もあります。


2つ目は聴覚キューです。メトロノームアプリや好きな音楽のリズムに合わせて歩く練習をします。ご家族が「イチ、ニ、イチ、ニ」と声をかけるだけでも効果があります。


3つ目は歩き始めの工夫です。すくみが起きた時、「足元を見る」「数を数える」「軽く膝を曲げてから踏み出す」「いったん後ろに半歩下がる」など、ご本人に合った「儀式」を見つけておきます。


4つ目は環境調整です。狭い場所、敷物の縁、ドアの敷居、コードなど、すくみが起きやすい場所を整理します。手すりや家具配置も、安全な動線を作るように見直します。


5つ目は服薬時間の最適化です。すくみ足がいつ起こりやすいかを24時間記録し、医師に相談することで、L-ドパの服用タイミングが調整できることがあります。


ウェアリングオフと転倒のつながり


長くL-ドパを服用していると、薬の効きが切れる時間帯(ウェアリングオフ)が現れます。この時期に動きが急に悪くなり、転倒のリスクが高まります。訪問看護では、ON/OFF日誌の記録方法をお伝えし、主治医への情報提供のお手伝いをします。


起立性低血圧にも注意


パーキンソン病では自律神経障害も合併しやすく、起立時の血圧低下による転倒も少なくありません。ゆっくり起き上がる、弾性ストッキング、頭部挙上での就寝など、ガイドラインに沿った生活指導も訪問看護の役割です。


「歩けること」を守ることが、暮らしを守ること


歩く力は、生活の自立、外出、人との交流、すべての基盤です。パーキンソン病と長くつきあっていくために、一緒にできることを探していきましょう。鎌倉・小田原でお待ちしています。

 
 
 

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